Column_3
まずは朝食をとる習慣作りを。それがスポーツにしっかり打ち込める身体作りにつながる!
料理家 、
トライアスリート/
高橋善郎
料理家/トライアスリート。料理人である父の影響で料理の世界に入る。スポーツをこよなく愛し、トライアスロンの国内大会では年代別で優勝するほどの実力をもつ。「食×スポーツ」を普及する活動も精力的に行っている。
一度の食事で吸収できる栄養素には限りがあることを考えると、食事は朝昼晩と三食いただくことが理想。特に身体作りが欠かせないアスリートにとっては朝食はとても大事です。作りやすく、しかもこれからの蒸し暑い時期に食べやすいおすすめの朝食レシピをご紹介します。
アスリートの身体づくりには
朝昼晩の食事が大切
さまざまな生活スタイルが確立されている現代。それに応じて食生活も多様になり、忙しい方は一日一食で済ませることもあると聞きます。
しかしながらある研究によると、人間は一度の食事で一日に必要なすべての栄養素を吸収することができないと分かっています。必要な栄養素を身体に取り込むためには、少しずつでも良いので3度の食事をとり、身体に栄養を送り続けてあげることが大切なのです。
日々の食事がアスリートの持久力や筋力につながり、運動のパフォーマンスそのものに直結します。また、朝から食べ物を咀嚼(そしゃく)することによって、脳の集中力をあげられるのも朝食をとるメリットの一つです。
忙しいスケジュールの中で料理家、飲食店経営者、そしてアスリートとしての仕事をこなしていくためにも、私自身どんなに忙しくても朝食をとり、一日の良いスタートを切るという習慣を心掛けています。
朝食は無理なく続けられる質と量で
“朝食を食べる習慣”と聞くと、皆さん一汁三菜の立派な食卓を思い描くかもしれませんが、忙しい現代人が毎日きちんとした朝食を作るのはなかなか難しいですよね。生活スタイルは人それぞれですので、最初からハードルを上げずに、まずは自分が続けられる範囲の簡単な朝食から始めてみるのはいかがでしょうか。
たとえば冷蔵庫の残り物具材を簡単に調味して食パンにのせてトーストしたり、昨日の残りご飯をおにぎりにして朝食にしたり。朝から気合いを入れて料理をするのではなく、簡単な食事でOK。それを無理せず続けていくことが大切なんです。
食欲がない時はフルーツを少しかじるだけでも大丈夫。甘いものやスパイスが効いたものなど、普段自分が食べている食事と違うメニューを朝から選んでみると、新しい食の発見があってそれだけでも楽しいですよね。質も量も無理せずちょっとずつ、そんな心持ちで細く長く続けるのが朝食の秘訣です。
これからの季節にぴったりな
スパイシースープ!
これから本格的に暑くなり食欲が落ちてきそうなこの季節、ぜひ皆さんにおすすめしたいのが自宅に残ったカレー粉を使って作るジンジャーカレースープです。
生姜の香りの主な成分「シネオール」には食欲増進効果や疲労回復の効果が期待できるので、毎日の食事に少しずつでも取り入れるのがおすすめ! スパイス(カレー)にも同様な効果が期待できるので、かけあわせることでアスリートの身体が喜ぶ料理になること間違いなし。
エアコンの効いた室内にいることが多いと、夏でも冷え性の症状が出やすくなりますが、生姜には血行促進効果もあるので隠れ冷え性にも効果大です。
鍋などは使わず電子レンジで簡単に作れるので、洗い物も少なくて済みます。これなら忙しい朝でも手軽に作れますね。実はこのスープ、作り置きしてもOK! 前日に作ってそのまま置いておけば、味がなじんでより美味しくなります。
野菜のほかには、六甲バターのキャンディーチーズを具材に使いました。キャンディーチーズは加熱してもすぐに溶け出さず、チーズの風味や食感が損なわれないので料理にとてもおすすめ。カレーとの相性も抜群です。
残ったスープはリゾットにしたり、スープパスタ(ショートパスタ)にするなどアレンジの幅も多彩なので、ぜひ簡単朝食のメニューの一つとしてチャレンジしてみてくださいね。
詳しいレシピはこちら
自分の「ライフスタイル」に
あった朝食を見つけよう
仕事や運動をするにも、趣味に時間を費やすにも、とにかく身体が資本。その身体をフル稼働させるための第一歩として大切なのが「朝食」だと思います。
私自身、仕事柄、撮影が立て込んだり、店舗の営業で就寝時間が遅かったりと毎日同じリズムで過ごせる日の方が少ないですが、朝食で「自分の身体が食べたいと素直に思っているものを、適量食べる」というところで帳尻を合わせ、身体のメンテナンスをするようにしています。スープだけのときもあれば、パンがセットのこともあったり、時には甘いものだけだったりとさまざま。その日の気分や疲労具合、気候によっても食べたいものは変わるので、同じものを同じ量だけ食べなくてはいけないと決めるのではなく、毎日違って全然大丈夫という楽観的な気持ちの方が、朝食を楽しめると思います。
その朝食を自分の「ライフスタイル」に合わせて、ストレスなく少しずつでも良いので続けることで、毎日がさらに充実していくはず。ぜひ自分流の朝食を見つけてくださいね。