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目標は、チーズデザート商品
(デザート6P、エクスフロマージュ)を
ベビーチーズに続く当社の柱と言える
商品にすることです。

開発

2003年入社

製品開発部

K.K

現在担当している
仕事内容について教えてください。

現在担当している仕事

家庭用開発チームはスーパーやコンビニエンスストアなどで販売されている家庭用商品の開発を行っていますが、私は主に「チーズデザート6P」、「エクスフロマージュ」、「チーズアイス」、「ベークドチーズケーキ」といったデザート系商品全般の開発を担当しています。
年2回の商品発売に合わせて企画の立案からスタートし、ラボレベル、製造ラインでの試作で風味や物性の調整を繰り返し、配合を作り上げていきます。
また、新商品の商談が始まる時期には、各営業所を回って営業担当者へ新商品のプレゼンを行ったり、取引先の商談へ同行し、バイヤーさんの意見を聞いて勉強することもあります。
この他、お中元、歳暮、お土産向けのデザートギフトの開発なども行っています。

一般的なタイムスケジュール

出社後はメールチェックを行い、その日することをリスト化、優先順位を決めて仕事に取り掛かります。業務内容は時期によって異なりますが、新商品の配合を検討している時期は前日にラボテストしたサンプルの評価(風味、物性、水分値、pH測定など)を午前中に行い、配合を改良して、午後に再度テストを行います。
この他に一日中デスクワークを行う日もありますし、試作や生産立ち合いで製造ラインに貼り付いたり、プレゼンや展示会、研修、外部メーカーでの試作など出張もあります。開発の部署は仕事内容が日々変わるので、新鮮な気持ちで仕事がしやすい環境だと思います。

QBBチーズデザート6Pがヒット商品となり、デザートチーズのパイオニアとなられていますが、何かエピソードを

・バニラ6P開発について
私は当社で以前発売していたベークドチーズケーキのファンで、その商品開発を希望して入社したのですが、開発に携わって間もなくして、デザート部門の廃止が決定していました。当時「NYチーズケーキ63%」という特に思い入れの強い商品があったのですが、この味を無くしたくない、チーズの製造ラインで再現したいと考えたのがバニラ6P開発のスタートでした。
デザート部門で先輩から教わってきたことが「チーズケーキの美味しさ=やわらかさと口溶けのよい食感」だったのですが、チーズの製造ラインでは生地がやわらかすぎるとアルミに包装する時にはみ出してしまい、安定して生産できない。でも包装しやすいように硬くすると美味しくない。 アルミからはみ出さずに安定的に包装でき、冷えた時でもやわらかく口溶けが良いという物性を作るのに苦労しました。

その後も「洋菓子屋さんに負けない素材と食感にこだわった本格風味のチーズケーキ」を目指して1品1品増やしてきました。
味にこだわればこだわるほど配合も作業手順も複雑になり、希少な原材料は前年から数量確保しないといけないものもあり、製造現場や原材料の購買担当の方々にはかなりのご迷惑をかけたと思います。それでも笑って協力してくださる皆様には本当に感謝してもしきれないです。
最近は他社もこだわった新商品を次々と発売され、競争が激しくなっていますが、まだまだチーズデザートの市場規模は小さく、認知度も低いです。
ベビーチーズのように、お客様に「チーズデザートはQBB」と覚えていただけるように商品力をレベルアップさせていきたいです。

新製品開発にあたり、また、仕事をする上で普段から意識していること

新商品開発ではお客様に感動していただける商品を目指し、素材選び、味作りにはとことんこだわっています。配合検討にかけられる時間は少ないのですが、限られた時間内で、できる限り多くの原材料、配合を試し、納得いくまで試作を重ねます。
もともと体育会系気質なので、机上で考えすぎるよりも体を動かしてまずやってみることを心掛けています。
こだわった商品を作るためには製造現場で面倒な作業をお願いすることもあり、時にはお叱りを受けることもあるのですが、良い商品を出すために譲れないところは通しつつ、それを納得してただけるような工夫や努力を心掛け、自分本位の働き方にならないように気を付けています。

商品開発の流れを教えてください

家庭用商品は年2回(3月、9月)新商品を発売するのですが、通常約1年前から検討をスタートします。
まず開発、企画部のメンバーが集まりアイディア会議を行い、各自持ち寄ったアイディアについて「商品コンセプト」、「味」、「実現性」などの視点から評価し、発売テーマが決定されます。
その後、原材料の選定、ラボレベルでのテスト(風味、物性の調整)を重ね、製造ラインテストを重ね、配合(レシピ)を決定します。
配合が決定すると、パッケージ裏面に記載する一括表示の作成を行い、取引先への商談が始まる時期には企画部のメンバーと共に各営業所を回り、営業の方々に対して新商品の紹介、プレゼンを行います。
それと並行して製造現場への指示書の作成、引き継ぎを行い、生産開始後も品質が安定するまで細かい条件調整などのフォローを行います。

当社では基本的に1つの商品を味作りから製造ラインにのせるまで1人で担当するため、業務の内容が幅広いのですが、これは自分の商品!という自覚を持つことで、商品に対する思い入れ、愛着が強くなり、責任感、やりがい、発売した時の達成感をより感じることができると思います。
お客様やお取引先のバイヤーさんからは「QBBはユニークな商品が多い」と言っていただくことが多いのですが、開発担当者の個性やこだわりが商品に表現されているからだと思います。
ここ数年は開発発信の新商品が多く、開発メンバーにとっては自分で考えた商品を具現化できやすい環境だと思います。

今の仕事の面白いところ

味作りをしている時が一番楽しいです。1つの味を作るにも素材の組み合わせはもちろん、物性、甘味度、pHによっても味の仕上がりは異なってくるので、それを1つ1つ詰めて配合を作り上げていく作業はワクワクします。
配合を作成する期間は毎日のようにラボテストを繰り返すのですが、がむしゃらに作っているうちに気づいたら良い配合が出来上がっていて、なぜそうなったのか途中の記憶がないということも多々あり、面白いです。
うまくいかないことや悩むことも多いですが、自分が考え、作りこんだ商品が市場に並び、お客様にお褒めの言葉をいただいた時にはそんな苦労も忘れてしまいます。

今までで一番辛かったこと、苦労したこと

 ある商品の開発中、発売が決定し、配合を確定しなければ包材の納期が間に合わないという時期に、ラインテストでそれまではなかったひどい油分離が起こってしまいました。
時間がなく、解決策も浮かばないという中でかなり焦りました。毎日遅くまでテストをし続けてもなかなか解決せず、精神的な焦りと疲れでげっそりしていた中、当時サポートしてくれた後輩が何気なく出してくれた案がヒントになり、何とか期日に間に合わせることができました。
自分の詰めの甘さを痛感した出来事でした。助けてくれた後輩には本当に感謝しています。

10年で自身が成長したと思えること

10年近くも続けているので当たり前のことではあるのですが、チーズデザートの味作りに関してはいろいろな経験をし、以前よりはレベルアップできているのかなと思います。
これまで16商品(終売してしまったものもありますが)を発売してきたのですが、1品毎に様々な問題にぶつかり、クリアしてきたことで、素材毎にどのような設定(水分値、甘味、酸味など)の配合を組んだら味がまとまるか、おおよその見当がつくようになってきて、以前よりも短時間で配合作成ができるようになりました。

これからの目標・キャリアプラン

大きな目標ではありますが、チーズデザート商品(デザート6P、エクスフロマージュ、チーズアイス、ベークドチーズケーキ)をベビーチーズに続く当社の柱と言える商品にしたいです。
まだまだ認知度が低く、伸び悩んでいる状況ではありますが、企画、営業の方々と協力して打開策を見つけていきたいです。
個人的には「作りたてのチーズデザートを楽しめるアンテナショップ」をやってみたい等、開発の部署でやりたい仕事がまだまだいっぱいあります。

職場の環境(雰囲気など)や帰宅後・休日の
過ごし方について教えて下さい

後輩に教えていること、育て方について

私自身、苦手分野も多いので、後輩には逆に教えてもらったり助けてもらったりすることが多いです。勉強熱心で頼りになる後輩が多いです。
ただ、私も上司や先輩から「仕事以外の時間でも商品開発のヒントになることはないか、24時間アンテナを張って過ごしなさい。」と教えられてきたのでそこはしっかり伝えていきたいなと思います。
もう1つは自分が作りたいと思った商品(アイディア)はなかなか採用にならなくても根気強く提案し続けることが大事と伝えています。私自身どうしても発売したい商品があったのですが、なかなか発売許可がもらえずあきらめかけていたのですが、しつこく提案し続けたところ、様々な運が重なって6年後に商品化できたものがありました。

どのような人と一緒に働きたいですか

一言で言うと、「和を大切にできる人」です。 仕事の成果を上げていくためには仲良しごっこではダメだとは思うのですが、競争意識が強すぎてでピリピリしている環境では日々ストレスも溜まり、良い仕事ができないのではないかと私は思います。
一緒に働いている開発のメンバーはストイックな部分は持ちながらも優しく、気性が穏やか、自分の意見はしっかり伝えながらも、相手の意見も尊重できる方が多いと感じます。
会議などで意見が対立してしまうこともあると思いますが、普段から相手を尊重し合い信頼関係がしっかり築けていたらその後引きずることが少ないのかな思います。
ラボテストを終えてへとへとになって実験台に戻ったら誰かが器具の洗い物をしてくれていたり、風邪を引いて弱っていたらデスクに栄養ドリンクやのど飴を置いてくださったりと、気配り、気遣いが素敵な先輩、後輩が多いので、私も見習っていきたいと思います。

平日の退社後の過ごし方、休日中に何か仕事に結びついたこと、思いついた事はありますか?

平日は習い事に通ったり、友人とテニスをしたりとアクティブに活動することもありますが、仕事が忙しい時期には家でのんびり過ごして体力を温存、回復しています。
休日は三ノ宮や大阪に出かけたり、実家の愛媛に帰ることも多いのですが、時間が空くとデパ地下のスイーツ売場をぶらぶらしたり、その時期に検討しているフレーバーがあれば、商品を食べたり買い集めたりして味作りのヒントにしています。
また、外食をする際にもチーズを使ったメニューやデザートはチェックして気になったものは試してみます。

10年前の自分に伝えたいこと

10年前はまだデザート部門があった頃で、カップタイプのレアチーズケーキ、ベークドチーズケーキの開発をしていました。
好きなチーズケーキの配合を作って発売するという業務自体は楽しくてたまらなかったのですが、新商品を発売してもなかなか売上にはつながらず、チーズ商品を開発して売上に貢献している同期や後輩をうらやましく思うこともありました。
でも今振り返ると、その頃チーズケーキを作りながら先輩方から教わった知識が私の味作りのベースになっていて、その経験がなければ現在発売しているチーズデザート6P、エクスフロマージュ、チーズアイス、ベークドチーズケーキの配合は作ることができなかったのでとても貴重だったと思います。
ご指導いただいた上司や先輩にはもちろん、結果が出なくてもやる気をなくさず知識を詰め込んでくれた10年前の自分には感謝しています。